転職をすれば年収は下がる。
残念ながら、異業種への転職では、間違いなく下がることになります。
年収アップが望めるのは、「同業種のステップアップ」しかない。
ヘッドハンティングか、求人募集がなくとも自分からダイレクトアプローチ、あるいは転職エージェントのすすめ。
もし、異業種への転職で、年収アップの好条件なら、よくよく確認すべきです。
会社への貢献度が未知数の段階では、年収アップする方がおかしいと考えるべきです。
筆者自身、転職5回で起業した経験を持っています。
その経験も含めて、解説してまいります。
転職すれば年収は下がる30代40代!50代では転職自体が困難
普通に考えて、現在の日本では、同業種のステップアップしか、年収アップは望めない。
過去20年年間の大学新卒初任給がほとんど横ばいです。
また、ハローワークへの求人賃金情報をみれば、大学初任給を下回る情報もあります。
ですので、転職すれば年収が下がる事は明らかです。
30代40代では、転職すれば年収は下がります。
20代では、キャリアによっては多少の上昇は見込めるかもしれません。
残念ながら50代においては、転職自体が困難です。
年収アップの可能性があるのは、同業種へのステップアップしかありません。
ただし、年収は下がるが、代わりに手に入るものが大きい場合はあります。
家族との時間・自分の時間が増えること。
ブラックな労働環境から、離れられること。
人間関係の問題も解決するかもしれないこと。
ただ、その代償として、一般的には、年収は下がる。
もしも、年収の下がることが、許容範囲を超えるのならば、後悔する可能性があります。
退職届を出す前に、よく調査をすることです。
転職して年収が下がる|翌年の税金(住民税)に注意が必要
会社員の税金といえば、所得税と住民税が大きな負担になっている。
転職して年収が下がる場合には、この住民税という税金に注意をしておかないと、後悔することになる。
厄介なことに、住民税という税金は、前年の収入に対して計算されるようになっている。
もし、年収が下がったとしても、前年の年収に対して計算された税額を払わなければならない。
もしも年収が下がって払えない、という状況になった場合、市区町村の税務課にいって、相談をすることです。
残念ながら、「減額」にはならないが、「分納」についての対応はしてくれる可能性がある。
転職して年収が下がるとは言い切れないのは、同業他社への転職の場合!
筆者自身の経験上もそうだが、同業他社への転職は、年収は下がることもあるが、上がることもある。
そのためには、具体的に示すことができる実績や経験値(キャリア)が必要です。
転職すると年収下がる|評価される能力があるならアップもある
評価される能力を示すことができれば、年収アップはあり得ます。
筆者の場合、不動産会社の営業でしたので、面接担当と共有しやすいように、営業実績のデータを持参した記憶があります。
また、最後の転職は42歳の時でしたが、その年代になれば前職ではそれなりの役職にもついてました。
前線の営業の仕事だけではなく、マンションプロジェクトのリーダーもしておりましたので、
プロジェクト推進に関する資料も持参しましたね。
具体的には、問題解決をしてきたことについての概要です。
マンションプロジェクトが、販売開始から、完売するまでの間には、必ずピンチだったり障壁が起きるものです。
そのピンチに対してどうやって、解決し、完売に導いていったかということについての概要です。
採用する側になった時に、気づきましたが、自分のできること=能力を示す資料を作ってくる応募者はほとんどいません。
ほとんどの方が、一般的な履歴書と職歴書しか用意していないです。
採用する側は、どんな能力のある人材なのかが知りたいポイントなので、ぜひ作って応募すべきです。
転職後の年収がアップなら、早めに結果を示すことが求められる
もしも、現職よりも高い年収条件で、採用される場合、それはある意味「危機的状態」とも言えます。
なるべく早めに、「結果・実力」を示す必要があるからです。
いわゆる「即戦力」ということです。
なぜなら、会社はその能力に期待したからこそ、その年収条件を提示したはずだからです。
新卒社員として、何ができるのかもわからない状態で、採用されたのではないはずです。
会社は、「きっとこれくらいの成果を出してくれる」と思ったからこその年収条件なのです。
営業ならば、具体的な売上です。
それ以外の職種ならば、あなたがいることで、提示された年収の少なくとも4倍以上の経済的効果が、期待できると思われたから、提示された条件だからです。
転職後の年収アップなら|期待される結果を出せなければ、次回評価では厳しいと覚悟が必要
もし期待された実力を示すことができないときは、かなりマズイです。
多くの会社が、数ヶ月ごとの「業務についての能力評価・業績評価」を行います。
そのタイミングで、入社時に約束された年収は、下がる可能性があります。
具体的には、職位が下がって、給料が下がるかもしれません。
あるいは、賞与の評価が下がるのかもしれません。
営業の場合は、売上に直結していますので、分かりやすいです。
具体的な数値で、貢献度を測れない職種の場合、あなたの発言や提案・計画の立案や実行が、前述した経済的効果に見合うだけの成果を上られたかどうかが、評価基準になるでしょう。
転職したあとの年収は、同業他社であっても、評価が明確になるまでは、一旦据え置き的に下がる可能性もある
あるいは、一旦は平均的な水準で、入社し、そのあとの実績により、給料が上がり年収が上がるということもあります。
やはり、会社として、判断をしきれない状態で、入社してもらうこともあるからです。
実力を認めてもらえれば、スピード出世+スピード昇給という方法をとる会社もあります。
精神的には、この方がプレッシャーが少ないかもしれません。
転職で年収は下がる|異業種転職の場合|やりがいがあれば後悔しないか
異業種・異職種への転職の場合は、原則、年収は下がることがほとんどです。
客観的に、考えてわかることだと思います。
自分自身も、異業種・異職種で、やっていけるのか、という期待と不安があると思います。
会社も同じです。
「人柄が良さそうだが、仕事の能力・実力の方は、どうだろうか」という気持ちでいます。
年収条件が現職よりも、下がるのは当然です。
ただし、業界的に年収が低いとかその会社が特に低いということでない限り、「能力評価・実績評価」という考え方があります。
「この人材は、当社にとって、無くてはならない」と思われる評価を受ければ、在職期間にかかわらず、年収は上がるものです。
筆者は、自分自身の経験で何度も経験しています。
転職後の年収は、これまでのキャリアが活かせない業種・職種の場合は下がる
何かの出会いや考え方から、これまでのキャリアを捨てる覚悟をすることもあるかもしれません。
筆者の場合、異職種への転職経験はありません。
しかし、現在雇用する立場にいます。
営業職や事務職(一般事務ではありません)を募集するときに、前職までの経験が、今回当社の募集職種とあまりにも違う場合、不安を感じます。
おそらく、ご自身がそうだと思いますが、「やっていけるかな」ということです。
つまり、これまでのキャリを生かせない仕事ということです。
この場合、実際に実績を示すことができなければ、年収は下がるのは一般的です。
キャリアの中で、何か活かせる部分を持っているか、どうかが分かれめです。
年齢も関係してきます。
20代・30代ならば、職種の変化があっても、吸収していける可能性があると感じています。
40代・50代は、かなり厳しいです。
転職の年収ダウンの例外|現職が特に年収が低いのなら
ただし、例外はあります。
業界によって、高年収・低年収ということは、あります。
低い業界にいる方が、他の業種・職種に、転職すれば、年収は高くなる可能性があります。
一般的に高いとされるのは、不動産・金融関係の営業を中心とした職種です。
不動産仲介業の営業、生保業の営業の場合、勤続年数で年収が上がるのではなく、営業実績がすべての基準になります。
入社後数年で、現在の年収よりも、大きくはね上がったという事例が、たくさんあります。
年収が下がっても、やりがいを求めるケース
年収、つまりお金は人が生きていく上で、なくてはならないものです。
ただ、お金さえあればいいというものではありませんし、際限ないものです。
年収が200万〜300万のときには、年収500万あれば、生活が楽になり、幸せになれるように思う人は多いと思います。
また、次には年収500万の人は、1000万になれば、と考える人は、多いと思います。
しかし、世の中には、お金を持っていても、不幸を感じている人もいます。
上を目指す限り、つらい・厳しい状況は、ずーっと続きます。
そこで、お金から離れて、やりがいや働きがいに、目標を変える方もいます。
もちろん、生活が出来ないほどに、年収が低いのは、無理な話です。
しかし、やりがい・働きがいという年収プラスアルファに目標を持ち替えかえて、転職を考える道もあります。
やりがい・働きがい
やりがい・働きがいというものは、無形のものです。
自分と会社あるいは自分と社会の関係の中で生まれるものです。
それはお金に換算して測れるものではありません。
自分と会社、つまり社内の関係で生まれる場合、やりがいは相手が与えてくれる信頼であったり評価であったりします。
自分と社会との関係の中であれば、具体的には顧客との関係になります。
顧客が喜んでくれる笑顔や言葉によって、やりがいを感じることができます。
以上のように、仕事のやりがい・働きがいは、お金に換算できるものではありません。
自分が仕事をすることで、自分以外の誰かが、喜び評価してくれる。
その時に、かけてくれる言葉等によって、自分の中に生まれるものです。
それが仕事のやりがいであったり、働きがいであったりします。
年収・お金を基本に考える人の場合であれば、仕事のやりがい・働きがいは、年収・お金に換算する評価を求めます。
しかし、年収、つまりお金によって、やりがい・働きがいを感じる人の場合は、犠牲にするものもあります。
それは家族との時間であったり、休日であったり、仕事環境、労務環境であったりします。
普通に転職をして年収が上がることが、期待できない時代になりました。
年収が上がらないのであれば、年収・お金以外に、やりがいを感じて仕事を選択する道もあります。
少し欲張って、経済的な働きがいと精神的なやりがいの両方を、手にしたいと考えたいものです。
しかし、現実は、どちらかに偏る傾向があります。
自分の転職の選択は、どちらを重視するのかを、心して考えるべきです。
まとめ
日本が、過去に神がかり的な復興を遂げた時代があります。
モノがない時代の話です。
新しいモノを作って、たくさん売ることが出来ました。
そして、神がかり的復興の裏には、今では信じられないような営業マンたちの活動がありました。
家に帰るのは、週に一度、それ以外は会社に寝泊まりする。
営業が外回りから、帰ってくるのは、夜の10時11時。
夜の12時から、営業会議。
そんな時代が、過去に現実に存在しました。
働くだけが人生だったのだと、思います。
もちろん現在は、そんな時代ではありません。
モノも情報も誰でも持ってる時代です。
今の時代は、お金以外のやりがい・働きがいも、考える時代なのだと思います。
前述しましたように、普通に転職すれば、年収は下がる可能性が大きいです。
コロナウイルスが、沈静化したあと、どのように働いていくのか、よくよく考えておく必要があります。
年収が下がっても、お金以外のやりがい・働きがいを目指して、転職する道か。
ある程度のことを、犠牲にしても、年収アップを目指して、働く、転職する道か。
あなたは、何の道を選びますか。
会社に社員として、所属するという働き方も、フリーランスの働き方に、変化していくでしょう。
会社は、コロナウイルスの影響で、AIやIOT、業務をロボット化、外注化などをすすめて、企業は生き残りにかけていきます。
働く人々も、変化をしないといけない時代が、いま目前なのだと思います。
これまで通りに、会社で貢献や評価の中で、生きていく道も、当然あります。
ただ、その道で残っていく人は、大きく減少するでしょう。
会社の中で、生きる道で重要なのは、会社にとって「無くてはならない存在。いないと困る存在」になる努力をすることです。
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