猫にコーヒーは毒でしかありません。猫がコーヒーカップの匂いを嗅いだりするので、好きなのかもと思っている方もいますが、その状況は猫が臭いという情報源を元に危険かどうかを見極めている野生時代の習性による行動です。
また東南アジアや南アジアに住むジャコウネコのフンから取れるコーヒー豆が高級品として販売されていることなどで情報が混在しているのかもしれませんが、ジャコウネコは名前は猫になっていますが、猫の仲間ではありません。どちらかといえば、イタチやマングースに近い種類で、ジャコウネコ科の生き物です。
ですので、自宅の猫がコーヒーに近づいたら絶対ノーなのです。
猫にコーヒーは絶対だめ!舐めてしまったら病院へ直行
人間の場合、コーヒーのカフェインは、薬としても使われており、覚醒作用・興奮作用などが有効とされています。
しかし、体の小さい猫にとって、コーヒーのカフェインは、舐めて飲んでしまうと、中毒症状を起こし最悪死んでしまう可能性があるものです。
猫は、飼い主の匂いが好きですから、飼い主の匂いがするものを舐めたり食べてしまったりします。飼い主がコーヒーカップでコーヒーを飲んでいると、近づいてきて、飼い主を席外した時に、匂いを嗅いでしまいます。
猫がコーヒーを飲んだとわかったらすぐ病院
もし猫がコーヒーを舐めた・飲んだとわかったら、どの位飲んだのか、残ったコーヒーの量から確認してください。それから病院です。
猫がコーヒーで中毒を起こす量の目安
猫がコーヒーのカフェイン中毒を起こすのは、飲んでから1時間後くらいといわれます。中毒を起こすのは、体重1kgあたり15mg〜20mgとされてます。
ドリップコーヒーで100mlに60mgのカフェインが含まれてます。15mgということは、コーヒーにすると25mlの量になります。一般的な猫のサイズは4kgほどですので、100mlが中毒を起こす可能性がある目安です。当然、個体差がありますので、50mlでも飼い主判断で済ませず、病院へ行った方が良いです。
コーヒーを飲んだかもしれない時はよく観察
落ち着きがない、呼吸が荒い、ふらついてる、歩けない、嘔吐をする・・・最初の2〜3の症状が現れたら、中毒の可能性大です。そのあとは、失禁・呼吸困難・痙攣と進んでしまいますと、非常に危険な状態です。(筆者の家の茶猫も過去に一度妻のコーヒーを舐めたことがあり、病院へと走ったことがあります)
ミルクを入れて、ラテにして飲む方は、テーブルの上に飲み残しコーヒーを置いたまま、席を立ってはいけません。猫は、脂分が好きなので、ブラックコーヒーよりも匂いを嗅ぎに来る可能性が強まります。(経験上のことです)
猫がコーヒー豆を食べるのは絶対だめ
普通の飼い猫がコーヒーを舐めるのも、コーヒー豆を食べるのも絶対にだめです。
ジャコウネコのことを、前述しましたが、ジャコウネコは猫ではありません。コーヒーノキの赤い実の部分は食べますが、種の部分は消化されずに排泄されます。(それが高級コーヒーの異なります)
もしジャコウネコの消化力が強く、コーヒーのタネも消化するようなら、カフェインで死んでいるのかもしれません。コーヒー豆は、焙煎するほどに、カフェイン含有量が減少します。つまり生の状態では、最大値のカフェインを含んでいるからです。
自宅でコーヒー豆を挽く人は、うっかりコーヒーミルから豆をこぼしてしまうと、猫がカリカリと間違えて食べてしまうかもしれません。
カフェインを食べて飲んで中毒を起こす可能性がある目安は15mgです。コーヒー豆の状態だと、焙煎度合いで変わりますが、約10%ほどカフェインが減ります。おおよそ重量の0.9%〜1.3%程がカフェイン量です。そして中毒の目安となる15mgとは0.015gのことです。
計算してみると、コーヒー豆(焙煎済み)1gには0.013gのカフェインが含有されている可能性があり、それは猫にとってのカフェイン中毒の目安に近いということです。コーヒー豆1gというのは、豆が7〜8粒です。もちろん個体差がありますし、焙煎度合いにもよります。浅煎りの方が僅かにカフェイン量は多いです。
猫がコーヒーをなめた!ひとなめなのか何回目のなめなのか
筆者の猫のケースがまさにコレでした。妻がコーヒーの飲み残しを置いたまま席を離れ、その後に筆者が猫がコーヒーをなめた瞬間を発見したのです。
何回目のなめなのか、わからずです。100mlもなめていないにしても、不安で心配で、病院に行きました。
なめた量が不明でしたが、猫が飲んだと思われる時間から小1時間ほどの様子に大きな変化(落ち着きがなく呼吸が荒いなどの症状がなかった)がなく、多分大丈夫といわれ、その後にも変化がなく一安心した経験があります。
猫はコーヒーの匂いが好きか嫌いか
猫が一番嫌いな匂いは、柑橘系の匂いです。ただその理由は断定されていません。一つは野生時代の名残(食べられるかどうかを酸っぱい匂いで判断していた?)という説です。もう一つは、柑橘類の皮には、リモネン・ソラニンという物質が含まれており、これが猫にとってあは毒となる物質なのです。どちらの理由で、あんなに目を細めて嫌がるのかはわかっていませんが。
ただし、コーヒーについては、好きか嫌いかの問題ではないことをご理解いただけたと思います。好きか嫌いかは、個体差なのかもしれません。ネット上にも両方の意見や情報が散見されます。
しかし、確かなことは、猫がコーヒーを食べたり飲んだりすると、中毒を起こしてしまい、最悪の場合、死んでしまうということです。
猫にコーヒーかすで猫よけをするのは賛成できない
猫がコーヒーが嫌いという情報を基に、コーヒーで猫避けをされる方もいるのだと思います。野良猫が遊んだり、うんちをしたりして、迷惑を受けていることを大変気の毒に思います。ただコーヒーのカスを撒くことは、猫にとって毒を撒かれていると同じことです。
一般的に、コーヒー1杯入れるのに10g〜12gの豆を挽きます。リスクを考慮し、多い方で計算すると、コーヒーを抽出した後のカスにもカフェインが残っています。
コーヒーで抽出されるカフェインは60%ほど(12gの豆から90mg抽出されます)です。12gのカスを捨てれば、70mgのカフェインが残っている計算になります。このうち15mgをコーヒーの匂いが嫌いではない猫が食べれば、中毒を起こします。
もしコーヒーのカスが複数杯分あれば、致死量150mgまで食べてしまうかもしれません。死んでしまう可能性があります。
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