亜鉛とコーヒーの関係性について、気になることがあります。
定説とされてきた関係性が、2018年のドイツの大学研究チームの発見によって、従前の考え方と違っていることが分かりました。
亜鉛とコーヒーの関係性についての定説
2018年以前においては、コーヒーのカフェイン・クロロゲン酸(ポリフェノール)やタンニンが、鉄分・亜鉛の吸収を阻害するというものでした。
つまり、コーヒーを飲む量が多い人の場合、貧血になる可能性があるというものでした。
コーヒーで亜鉛不足になると
コーヒーや紅茶などのカフェインを含む飲み物を飲み続けていると、貧血を起こす可能性がありますが、亜鉛不足による障害も起きやすくなるというのです。
それはコーヒーの中のタンニンがミネラルと結合をして、亜鉛の吸収を邪魔するのです。
亜鉛は人の体の中で作られることはありません。
亜鉛不足で起こると言われるのは、次の通りです。
- 味覚障害
- 免疫力の低下
- 発育不良
- 髪の質や肌の状態にトラブル
- 爪にも異常が現れやすくなります。
コーヒーが亜鉛の吸収を阻害する
ちなみに、コーヒーは亜鉛の吸収を邪魔しますが、アルコールは亜鉛を消費してしまうことが分かっています。
特に女性の場合、妊娠期・授乳期には、普段よりも亜鉛を必要としますので、コーヒーを飲むことで、亜鉛欠乏性貧血や鉄分欠乏性貧血になるリスクがあるというのです。
亜鉛を多く含んだ食材は、牡蠣・牛肉・鶏肉・豚肉・卵・ごま・のり・ワカメ・昆布・カニ・スルメ・白米・納豆・ブロッコリー等です。
2018年 ドイツ・アレクサンダー大学の研究チームが発見
前述したように、コーヒーと亜鉛の関係性は、良くないものとして知られていました。
しかし、2018年にドイツのアレクサンダー大学の研究チームが、以下の内容について発見したのです。
人間の加齢の原因には、酸化ストレスが原因であること。
そして、亜鉛は微量元素として、人間の健康維持に必須であり、有機分子を活性化する事で、酸化ストレスから防護するという内容でした。
具体的には、亜鉛は、コーヒーに含まれるヒドロキノン成分(ポリフェノールに含まれる)と共同で、酸化ストレスに対するスーパーオキシド反応を起こすというのです。
活性化されたヒドロキノンは、体内の分子を傷害するスーパーオキシドに対抗するスーパーオキシドジスムターゼという酵素を作り出すのです。
この酵素が、スーパーオキシドにより起こる加齢・炎症・癌がすすむことを防護し、酸化を防ぐようです。
亜鉛とコーヒーの飲み合わせ・相性
前述の通り、研究結果によって、亜鉛とコーヒーの飲み合わせについて、タンニンが亜鉛の吸収を邪魔する可能性があるので、良くないと言われていました。
しかし、その後の研究では、コーヒーポリフェノール(ヒドロキノン)と亜鉛が共同でより強いい抗酸化作用がある酵素を生み出すことが分かったのです。
こうなると、亜鉛とコーヒーの飲み合わせ・相性は、むしろ良いということになります。
事実、亜鉛とコーヒー成分の入ったサプリメントが販売されています。
まとめ
従前は、亜鉛はコーヒーを飲むことで、亜鉛不足を起こすとされていましたが、2018年の発見により、亜鉛とコーヒーの組み合わせにより、抗酸化作用が認められるようになりました。
コーヒーを飲むときには、亜鉛サプリメントを合わせることで、加齢対策の可能性が期待できそうです。
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