コーヒーを飲むとなぜかトイレに行く回数が増える、という方はいませんか。
これは、コーヒーの利尿作用によるものです。
それでは、なぜコーヒーには利尿作用があるのでしょうか。
利尿作用と聞くと悪い印象を受けがちですが、メリットもあわせてコーヒーと利尿作用の関係をご紹介します。
コーヒーの利尿作用|ひどい場合には頻尿の原因にも
利尿作用というのは、いつもより出る尿の量が多くなる、もしくはトイレに行く回数が増えることです。
これは、コーヒーにカフェインという成分が含まれているからです。
カフェインといえば、眠気を覚ましてくれる印象が強い人が多いかもしれません。
このカフェインには、眠気を覚ますだけでなく、尿の排出を促す利尿作用もあります。
個人差はあるとしても、頻尿の原因になる可能性があります。
利尿作用は、中毒的症状ではありませんが、カフェインは個人によっては、ひどい中毒を起こします。
中毒症状は、ひどい場合には、死亡に至ることもあるとされていますので、飲み過ぎには注意が必要です。
カフェインで利尿作用が働くメカニズムとは?
カフェインが体に与える作用は、いろいろとあります。
まず一つは、脳を興奮させる作用です。
眠気を覚ましてくれたり、疲労感を軽くしてくれます。
2つめは、血管に対する拡張と収縮作用です。
拡張している脳血管を収縮させ、末梢血管を拡張させます。
ですので、頭痛を抑えてくれる作用があります。
3つめは、腎臓に対する作用です。
この作用が利尿作用と関係します。
腎臓では、血液の中から体にとって不要なものが取り除かれています。
取り除いた不要物は、老廃物として尿と一緒に体の外へ排出されます。
腎臓の血液もめぐりが良くなると動きが活発化し、不要物の取り除くペースも早くなっていきます。
そうして、いつもより尿の量や頻度が多くなるというのが、利尿作用が起こるメカニズムです。
コーヒーによる利尿の作用は なぜ抑えられないのか?
結論からいうと、利尿作用は防ぐことも予防することもできません。
血液の中にカフェインが残っている間は、どうしても利尿作用が続きます。
そのため、飲む時間、タイミングを考えることが重要になります。
例えば、夜寝る前などはなるべくコーヒーを飲まないようにしましょう。
寝ている間に利尿作用が働いてしまうと、何度もトイレに起きてしまい寝不足になりかねません。
他にも、会議の前や夜行バスに乗る前など、長時間トイレにいけないが予想される場合は、飲むのを控えましょう。
昼間であれば、トイレの回数が多少多くても問題はないでしょう。
眠気覚ましとして飲むことができそうです。
また、デスクワークなどをしている方は、これを上手く利用してトイレに立つことで、リフレッシュもできます。
このように、今なら飲んでも大丈夫、という時間を見極めて飲むようにしましょう。
コーヒーの利尿作用と成分量と時間との関係
利尿作用を防ぐことはできませんが、軽減することはできます。
その方法は、コーヒーの飲む量を減らす、もしくは利尿作用の要因であるカフェインを減らすことです。
カフェイン成分さえ少なくなれば、利尿作用も引き起こりにくくなります。
今はカフェインレスやノンカフェインといった、カフェインがあまり入っていないコーヒーもあります。
このようなコーヒーを選べば、利尿作用の要因である成分、カフェインを避けることが可能です。
カフェインによる作用が現れ始めるまでの時間は、30分程度と考えられます。
コーヒーを飲んだ後、小腸で吸収されて、全身に回り脳まで届くには、30分程度の時間がかかります。
また、何時間ほど作用が継続するかといいますと、2時間〜4時間と考えられます。
作用の効果が、ゼロに近づくには、5時間〜7時間です。
トイレに行けないような環境へ、向かう前に、コーヒーを飲むのはやめておいた方が良いです。
コーヒーの利尿作用はダイエットに効果的|むくみ解消にも役立つ
防ぐことができない利尿作用ですが、実はメリットとしてダイエットの効果が期待できます。
利尿作用というのは、体の中の不要なものを体の外へ出してくれること。
つまり、老廃物や余分な水分を取り除いてくれることです。
老廃物や余分な水分はむくみの原因となります。
コーヒーを飲むことで、この老廃物や余分な水分を体の外へ出してしまい、むくみの解消が期待できます。
さらに、コーヒーに含まれているポリフェノールは、脂肪燃焼の効果があります。
ダイエットをお考えの方は、コーヒーがダイエットの第一歩になるかもしれません。
その際は、糖分などをなるべくとらないように、ブラックコーヒーで飲むことをおすすめします。
また、水分が排出されずに、体内に残っている状態が「むくみ」です。
カフェインの利尿作用は、むくみの解消に役立つ可能性があります。
ただし、むくみは脱水状態が原因になっている場合もあります。
カフェインの利尿作用が、脱水状態を引き起こしている場合もあります。
心当たりがあるなら、コーヒーを飲むのを、一旦辞めてみることです。
ただし、面倒なことに、カフェインの取りすぎで、むくみを起こしてしまうこともあるのです。
利尿作用で水分が排出される現象が過ぎるほどになった時に、人の体は水分不足に対して、自動的に防衛反応をするようになります。
それがむくみである場合があります。
コーヒーと紅茶の利尿作用に違いはあるの?
カフェインは、コーヒー以外にもたくさんの飲み物に含まれています。
中でも知られているのは紅茶です。
コーヒーと紅茶では、利尿作用に違いはあるのでしょうか。
実際に、コーヒーと紅茶、それぞれカップ1杯の中に含まれているカフェインの量を比べてみます。
コーヒーのカフェイン量を1とするならば、紅茶は0.5。
カフェイン量の違いだけでみると、紅茶の方が利尿作用の影響が少ないと言えます。
しかし、含まれている他の成分は違っているため、そちらの効果は違います。
コーヒーはダイエット効果や、ポリフェノールの抗酸化作用でアンチエイジングなどの期待ができます。
一方紅茶は、殺菌作用のある成分が入っているため、風邪予防の効果があります。
他にも、メラニン生成を抑えてくれる成分入っており、美白の効果も期待されます。
どのような効果を求めたいのか、また飲むタイミングによって選んでみるのはいかがでしょうか。
コーヒーと緑茶で利尿作用の違いはあるの?
カフェインを含む飲み物として、緑茶もご存じの方は多いでしょう。
緑茶には多くの種類があります。
今回は、緑茶の中でも比較がしやすい、煎茶と玉露をご紹介していきます。
煎茶は一般的なお茶の名前としてよく聞くお茶ですが、玉露はとても高級な緑茶のことです。
この2つとコーヒーで、利尿作用に違いはあるのでしょうか。
こちらも、コーヒー、煎茶、玉露のカップ1杯にの中に含まれるカフェイン量を比べてみます。
コーヒーのカフェイン量を1とすると、煎茶は約0.3、玉露は約2、となります。
カフェイン量だけでみると、煎茶が利尿作用は少なく、玉露が一番利尿作用を引き起こしやすいということになります。
玉露は高級品のため、普段の生活で飲むことはほとんど無いかもしれません。
より利尿作用の影響が少ない飲み物を選びたい場合は、コーヒーよりも煎茶を選ぶとよさそうです。
カフェインレスやデカフェコーヒーなら利尿作用はなくなるの?
最近では、カフェインが含まれないカフェインレスコーヒーが増えてきています。
デカフェコーヒーもそのうちのひとつで、カフェなどで見かける方も多いのではないでしょうか。
デカフェとは、もともとカフェインがあったものから、できる限りカフェインを取り除いたもの、です。
できる限り取り除かれているだけなので、多少のカフェインは残ってしまいます。
カフェインが完全になくなったわけではないため、カフェインレスでも利尿作用が全く起きないとはいえません。
しかし、通常のコーヒーと比べたら、カフェインの量は圧倒的に少なくなっています。
普段ならコーヒーを控えたい場面でも、デカフェコーヒーなら利尿作用をあまり気にせず飲むことができそうです。
まとめ
コーヒーに利尿作用があるのは、含まれている成分のひとつ、カフェインによるものです。
他の飲み物よりもカフェインが少しだけ多く入っているコーヒーは、利尿作用を引き起こしやすくなってしまいます。
その分、老廃物を体から出してむくみをとったり、ダイエットにも効果があったりと、メリットもたくさんあります。
利尿作用が気になる方は、飲む時間やタイミング、またはコーヒーの種類を変えるなど工夫をしてみてはいかがでしょうか?
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