インドネシアコーヒー|ジャコウネコから現地の味まで

インドネシア コーヒー

インドネシアは世界でも有数のコーヒー生産国の一つであり、その味わいや香りは多くの人々から愛されています。

インドネシアで生産されるコーヒーは、種類によって異なる風味や特徴を持っており、その中でも特に有名なのが「コピ・ルアック」と呼ばれるコーヒーです。

今回は、インドネシアのコーヒーについて詳しく掘り下げ、その魅力や歴史、そして生産の現状についてご紹介します。

目次

インドネシアコーヒー|ジャコウネコから現地の味まで

インドネシアといえば、美しい海や熱帯雨林が有名ですが、実は世界的にも有名なコーヒー生産国でもあります。

インドネシアで生産されるコーヒーには、独自の風味や特徴があり、多くのコーヒー愛好家から高く評価されています。その中でも、特に有名なのが「コピ・ルアック」と呼ばれるコーヒーです。

本記事では、インドネシアのコーヒー文化や種類、そしてコピ・ルアックについて詳しく探ってみたいと思います。

インドネシアコーヒーの特徴

インドネシアのコーヒーには、独特の風味や香りがあります。その理由として、地理的・気候的要因や、生産方法が挙げられます。

まず、地理的・気候的要因についてです。インドネシアは、南北に長い島国であり、多様な地形や気候が存在します。この多様性によって、地域ごとに異なる風味や香りが生まれるのです。例えば、スマトラ島のマンデリン種は、スパイシーな香りや苦みが強いのに対して、スラウェシ島のトラジャ種は、フルーティーで軽やかな味わいが特徴です。

また、生産方法によっても風味や香りが異なります。インドネシアの一部地域では、天日乾燥法と呼ばれる製法が用いられます。この方法は、豆を太陽光で直接乾燥させるため、豆の中に余分な水分が残らず、風味が凝縮されると同時に、独特の酸味や甘みが引き出されます。また、コピ・ルアックのように、コーヒー豆をジャコウネコが食べて排出したものを使用する特殊な製法もあります。

このように、インドネシアのコーヒーは、多様な地域や生産方法によって異なる風味や香りを持ち、その独自性が愛される理由の一つとなっています。

インドネシアコーヒーはジャコウネコが生産?

コピルアクは、豆の生産(?)方法が特徴的です。実は、ジャコウネコがコーヒーの果実を食べて、その後ジャコウネコが排泄した「ふん」の中にある未消化のコーヒーが使われています。(つまり猫が生産する?)

もちろん、きれいに洗って乾燥させた上で、焙煎をします。こうして出来上がったものが「コピルアク」です。洗った後は、一粒ごとに手作業で皮をむきます。これらの手間が、価格が高い原因と思われます。

ちなみに、ジャコウネコは、猫というよりも、イタチです。以前、ベトナムでは、イタチコーヒーの名前で販売されていました。しかし現在イタチコーヒーの名前で売られているものは、ジャコウネコのふんから取り出したものではなく、人為的に豆を発酵させて販売しています。

この製法によって、コーヒー豆が消化される過程で、独特な風味や香りが生まれるとされ、高級なコーヒーとして珍重されています。しかし、コピ・ルアックは生産量が非常に少なく、品質も不安定なため、市場価格も高く、一般的なインドネシアのコーヒーとして普及しているわけではありません。

インドネシアのコーヒー豆で有名な種類|コーヒー豆の特徴

スマトラ島で生産されるマンデリン種は、世界中のコーヒー愛好家によって高く評価されているコーヒー豆の1つです。マンデリン種の豆は、特有のシマシマ模様があることが特徴で、味わいは深く、酸味が少なく、豊かなスパイスの香りがあります。このコーヒーは、特別なブレンドやフレーバーが不要で、単体でも十分に美味しく楽しむことができます。

一方、ジャワ島で生産されるジャワ種は、マンデリン種に比べると酸味が強く、コクがあります。ジャワ種の豆は、ハーブのような香りがあり、まろやかな口当たりが特徴です。また、スラウェシ島で生産されるトラジャ種は、チョコレートのような香りや、フルーティーな味わいが特徴で、複雑な風味があります。

これらのコーヒー豆は、それぞれの産地で生産されるため、その土地の気候、海抜、日照時間、土壌の影響を受けて、豆の風味や香りが異なります。そのため、コーヒー好きにとっては、それぞれのコーヒー豆が持つ独自の風味や特徴を楽しむことができる醍醐味があります。

インドネシアコーヒーのマンデリン

インドネシアのコーヒー豆で最も有名なのは、スマトラ島で生産されるマンデリン種です。マンデリン種は、特有のシマシマ模様があることが特徴で、味わいは深く、酸味が少なく、豊かなスパイスの香りがあります。これらの特徴から、マンデリン種は「甘い香りを放つ、フルボディのコーヒー」とも表現されます。

マンデリン種は、アラビカ種の中でも生産が難しく、品質にもばらつきがあるため、一部の生産者が高品質のマンデリン種を生産しています。このため、高品質のマンデリン種は、世界中のコーヒー愛好家から高く評価されています。

マンデリン種の生産には、ジャコウネコが関わっていることでも有名です。ジャコウネコは、マンデリン種のコーヒーチェリーを好んで食べるため、その排泄物から得られる豆は、通常の豆よりも消化が進んでいるため、酸味が少なく、深みのある味わいが特徴的です。ただし、最近では、この方法で生産されるコーヒー豆は少なくなっています。

マンデリン種は、フレンチローストやエスプレッソなど、深煎りにすることでより豊かな味わいを楽しむことができます。また、単体で飲むだけでなく、ブレンドに使用することで、他の豆との相性も良く、独特の風味を加えることができます。

インドネシアコーヒーのジャワ種

インドネシアのコーヒー豆で、もう一つ有名なのはジャワ種です。ジャワ種は、インドネシアの中央部にあるジャワ島で生産されています。マンデリン種と比較すると、酸味が強く、スパイシーな香りがあり、口当たりが滑らかな味わいが特徴です。

ジャワ種は、19世紀にオランダ人によって栽培されたとされており、その歴史は古く、品質の高さから、世界的にも高い評価を受けています。ジャワ種は、アラビカ種の中でも品質が高いとされており、栽培には熟練した技術と手間がかかるため、生産量は少なめですが、品質の高さが保たれています。

ジャワ種は、深煎りにすることで、コクが増し、スパイシーな香りが際立ちます。また、単体で飲むだけでなく、ブレンドに使用することで、他の豆との相性も良く、より複雑な味わいを楽しむことができます。

インドネシアコーヒーのトラジャ

インドネシアのコーヒー豆で、最近注目を集めているのがトラジャ種です。トラジャ種は、インドネシアのスラウェシ島(旧名:セレベス島)で栽培されている希少種で、コーヒー好きの間では「インドネシアコーヒーのダイヤモンド」と称されるほど、品質の高いコーヒーとして知られています。

トラジャ種は、一般的なアラビカ種とは異なり、独特の風味を持っています。芳醇で濃厚な風味があり、甘みが強く、香りも豊かなのが特徴です。また、口当たりが滑らかで、後味がすっきりとした味わいも魅力的です。

トラジャ種は、スラウェシ島の標高の高い山岳地帯で栽培されているため、豆の成熟期が長く、手間暇かけて育てられることから、希少価値が高く、高級コーヒーとして扱われています。そのため、入手が困難で、一般的なスーパーマーケットなどではなかなか手に入りませんが、コーヒー通なら一度は飲んでみたいというコーヒーファンも多いです。

インドネシア式コーヒーの飲み方

インドネシアでは、コーヒーを飲む際に独自のスタイルがあります。以下に、代表的な3つのスタイルを紹介します。

  1. コピ・タバン(Kopi Tubruk)

コピ・タバンは、インドネシア式のドリップコーヒーです。挽いたコーヒー豆とお湯を混ぜ、コーヒーグラウンドを飲み物の中に残すスタイルです。挽き方によって、細かく挽いているものから、粗く挽いたものまであります。お湯を注いだ後は、約3分間待ってからコーヒーグラウンドを混ぜ、さらに約1分間置いて、コーヒーグラウンドが沈んでから飲みます。甘味を加えたり、練乳を加えたりすることもあります。

  1. コピ・ジョッシュ(Kopi Joss)

コピ・ジョッシュは、インドネシアのイスタントコーヒーに熱い炭を入れた特殊なスタイルです。炭は、食用のものを使用します。炭をコーヒーカップに入れた後、熱いコーヒーを注ぎます。すると、炭がバズる音とともに、コーヒーに炭の風味が加わり、独特の味わいを楽しめます。

  1. エスプレッソ

インドネシアでもエスプレッソを飲む文化があります。インドネシアの一部の地域では、フルーティーで酸味のあるエスプレッソが人気です。また、スウィートエスプレッソと呼ばれる甘いエスプレッソも、人気があります。

これらのスタイルは、インドネシア独特のコーヒー文化を反映しています。是非、現地で味わってみてください。

インドネシアはコーヒー豆の生産量で有名

コーヒー豆の生産量といえば、ブラジル・コロンビア・ベトナムですが、次いで多いのが、インドネシアです。(世界第4位)

コーヒー銘柄で有名なマンデリンは、インドネシア産です。

インドネシアコーヒー産地の歴史

インドネシアのコーヒーの歴史を遡ると、1830年代のオランダによる植民地時代にたどり着きます。ジャワ島でコーヒーが栽培されるようになったのが、最初です。

オランダの東インド会社が強制栽培をさせたのです。

インドネシアのコーヒー豆の品種はロブスタとアラビカ

インドネシアのコーヒー豆の9割がロブスタです。

元は、アラビカが主でしたが、1990年代に大きな病気被害があり、その後はロブスタが主になりました。ロブスタの特徴は、苦味と香りです。

酸味が少ないのも特徴なので、酸味苦手な方は、おすすめです。ただ、有名なマンデリンやトラジャのコーヒー豆は、アラビカです。

インドネシアのコーヒー農園(栽培)と銘柄の種類

インドネシアでは、マンデリンの他の銘柄も生産されています。コーヒー農園のある栽培によって銘柄が分かれています。

  • スマトラ島・・・マンデリン、ガヨマウンテン(アチェコーヒー)
  • ジャワ島・・・ジャワコーヒー
  • バリ島・・・バリアラビカ
  • スラウェシ島・・・トラジャ

ジャコウネココーヒー(コピルアク)は、各地で生産されます。また、フローレス島といえば、コモドドラゴンを思い出します。なんと、コモドドラゴンの名前のコーヒーまで生産されています。

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